Amazonで玄関前指定したのに違う場所に置かれるのはなぜ?「数センチのズレ」をなくす配達指示のコツ
「玄関前って指定したのに、違う場所に置かれていた」
「ドアの前って書いたのに、そこじゃない」
「配達指示にちゃんと書いてあるのに、どうして?」
SNSを見ていると、荷物の受け取りをめぐるこうした声をよく見かけます。
受け取る側からすれば、希望をちゃんと書いたはず。
それなのに違う場所に置かれていれば、「指示を見ていないのかな」「どうして配達員によって違うんだろう」と不満に感じるのも無理はありません。
でも私は、配達する側としてこうした声を見ているうちに、少し気になることがありました。
もしかすると、受取人が頭の中で思い浮かべている場所と、配達員がその場で見ている場所は、同じようで少し違うのではないか。
そして、そのほんの小さな違いをお互いに知らないまま、それぞれが不満を抱えているのではないか、と。
これは、受取人と配達員のどちらが正しい、どちらが悪いという話ではありません。
受取人には配達員が玄関前で何に迷ったのかは見えず、配達員にも受取人が思い浮かべていた「ここ」は見えません。
同じ言葉を見ているのに、見えている景色がほんの少し違う。
その「数センチのズレ」を一つずつ埋めていくために、この「受け取りのヒント」シリーズを始めます。

まずは自分の「玄関前指定」と「自由入力欄」を確認してみよう
Amazonで玄関前置き配を希望する場合、注文確定前の画面やアカウントの配送先設定から「置き配指定」を選びます。
ここで「玄関」を選択するだけの方も多いのですが、実はその下に**自由に文字を入力できる欄(詳細な指示・配達メモ)**が用意されています。
「玄関に向かって右側」「インターホンの下」など、「玄関」という選択だけでは伝えきれない細かな希望は、この自由入力欄を使って補足できます。
まずは、置き配場所を「玄関」にしたうえで、自由入力欄を活用する準備ができているかを確認してみてください。
ここまでは画面の中の設定です。
問題は、その自由入力欄に「どう書けば、初めて来る配達員に正しく伝わるか」です。
置き配全体の設定や、配達指示の選び方についてはこちらで詳しくまとめています。
「玄関前」って、具体的にはどこ?
少しご自宅の玄関を思い浮かべてみてください。
「玄関前に置いてください」と言われたら、どこをイメージするでしょうか。
- ドアの真正面
- ドアの右側や左側
- インターホンの真下
- 玄関まわりならどこでもOK
答えは人それぞれ違います。
自宅であれば「いつもここ」という定位置が頭の中にあるはずです。
でも、その「いつもの場所」を、今日初めて来た配達員は知りません。
ここで最初の小さなズレが生まれます。
「右側に置いて」でも迷ってしまう理由
配達指示の自由入力欄に「玄関の右側に置いてください」と書いてあることがあります。
一見、とても具体的な指示に見えます。
ところが玄関の前に立つと、配達員は迷います。
「右って、どっちから見た右だろう?」

配達員は、外から玄関に向かって立っています。
一方、そこに住んでいる人は、家の中から玄関を通って外へ出ます。
見る方向が反対なら、右と左も反対になります。
実際に私も、「右側」という指示通りに置いたつもりが、「そっちじゃない」と言われてしまった経験があります。
受取人からすれば「ちゃんと右と書いたのに」、配達員からすれば「右に置いたのに」。
どちらも悪気はなく、ただ見ていた方向(視点)が逆だっただけです。
もし左右を指定するなら、自由入力欄にこう書いてみてください。
- 「玄関に向かって右側」
- 「玄関に向かって左側」
「どちらから見た左右か」を書き、さらに「インターホンの下」「傘立ての横」など目印を1つ足すだけでも、配達員が迷う余地はかなり減らせます。
「ドアの前」は、本当にドアの真正面?

もう一つよくあるのが、「ドアの前に置いてください」という指示です。
これも配達現場ではとても迷います。
文字通りドアの真正面に置くと、外開きのドアの場合「開けたときに荷物が引っかかる」「ドアが開かない」というトラブルになるからです。
すると配達員はこう考えます。
「真正面だと邪魔になるから、少し横に避けて置こうかな」
この瞬間、受取人の指示に配達員個人の判断が加わります。
良かれと思って横に置いた結果、「ドアの前って言ったのに」という不満につながってしまうのです。
置き場所にこだわりがあるなら、配達員に考えさせない
今回、一番伝えたいのはここです。
置き場所にこだわりがあるなら、配達員に考えさせない。
もちろん「配達員は何も考えるな」という意味ではありません。
受取人が希望している置き場所について、配達員自身が判断しなければならない余地をできるだけ減らす、という意味です。
10人の配達員がいれば、置き場所に迷ったときの判断も10通りあります。
日によって違う配達員が来るからこそ、「いつもの人なら分かる」ではなく、**「今日初めて来た人でも考えずに置ける」**指示が最も強いのです。

- 方向を指定する: 「玄関に向かって右側」
- 目印を足す: 「インターホンの下」「傘立ての横」
- 場所を示す: 「ここに置いてください」という案内プレートや置き配マットを敷いておく
こだわりがある場所ほど、初めて来た人の目線で見える形にしておくのが確実です。
「玄関までの道」は、初めて来た人にも同じように見えている?
もう一つ、戸建て住宅の「玄関前」で考えてみたいことがあります。
それは、門や道路から玄関までのアプローチ(道)です。
毎日そこで暮らしている人にとっては、玄関までの動線は当たり前に見えています。
「ここから入って、ここを通れば玄関」
自分の家なので、迷うことはありません。
でも一度だけ、その道を「今日初めて来た配達員」の目線で見てみてください。
しかも手ぶらではなく、大きな段ボールや重い飲料ケースを抱えているかもしれません。
その状態で初めてその場所を見ても、「ここを通って玄関まで行けばいい」と迷わず分かるでしょうか。
普段、何も持たずに歩いている「生活動線」と、初めて来た人が荷物を抱えて歩く「配送動線」は、同じ道でも見え方が違うことがあります。
一方で、反対側にも見えていない事情があります。
たとえば、重い荷物を配達員の判断で宅配ボックスへ入れたとします。
配達員からすれば「ここに入れておけば安全だろう」という良かれと思っての判断だったかもしれません。
でも受取人は、「この重さを宅配ボックスから運ぶのが大変だから、玄関まで届けてほしくて玄関指定にしていた」のかもしれません。
その事情を、配達員は知りません。
受取人には、配達員がその荷物を持って玄関までどう進むのかが見えていない。
配達員には、受取人がなぜ玄関まで届けてほしいのかが見えていない。
どちらか一方だけが相手を分かっていないわけではないのです。
もし玄関前を希望しているのに別の場所に置かれることがあるなら、荷物を持った初見の目線でアプローチを確認してみてください。
「入口は分かるか」「重い荷物を持った状態でもスムーズに進めるか」。
逆に配達する側も、「重いから」「ここでいいだろう」と受取人の希望を勝手に読み替えない意識が大切です。
宅配ボックスを使う場合も、置き場所や大きさによって受け取りやすさは変わります。
玄関指定なのに「ピンポン」と鳴らされる理由
「玄関前を指定しているのに、インターホンを鳴らされた」という疑問もよく耳にします。
実は、Amazonで玄関指定にしていても、すべての荷物が置き配できるわけではありません。
実際のAmazon配送では、箱や封筒に「置き配禁止」と分かる表示が付いた荷物があります。
こうした荷物は、受取人が玄関への置き配を希望していても、そのまま玄関前へ置くことはできません。
私の現場では、医薬品などがこうした置き配禁止の荷物に含まれると説明されています。
受取人の希望よりも荷物に設定された安全上の条件が優先されるため、手渡しのためにインターホンを鳴らすことがあります。
ですから、「玄関前を指定したのにピンポンされた=配達指示を無視された」とは限りません。
荷物そのものに、玄関前へ置いてはいけない条件が付いている場合もあります。
このことを知っておくだけでも、「どうして玄関指定なのに?」という受け取り時の小さなすれ違いを減らせるのではないでしょうか。
初めてこの玄関を見る人にも「ここ」が伝わるように
自分にとっての当たり前は、初めて来た配達員には見えていません。
「右側」と言えばここ。
「ドアの前」と言えばここ。
「玄関前」と言えば、いつものここ。
そして、「玄関までの道」と言えば、この道。
自分の頭の中には、ちゃんと答えがあります。
でも、初めて来た配達員にはその答えは見えず、配達員にも受取人がその場所を希望する理由は見えていません。
だから、もし置き場所に希望があるなら、一度だけこう考えてみてください。
「初めてこの家に来た人が、荷物を持った状態で迷わず玄関まで来て、考えずに同じ場所へ置けるだろうか?」
少し迷いそうなら、自由入力欄に目印を1つ足してみる。
見る方向を足す。
入口や道が分かりにくければ補足する。
置いてほしい場所そのものを示してみる。
ほんの少し相手から見える景色を想像してみるだけで、受取人と配達員の間にある小さなすれ違いは減らしていくことができます。
受取人と配達員の間にある、ほんの「数センチのズレ」。
まずは玄関前から、少しずつ埋めていきましょう。
